Moab, Utah in USA, Oct/22(Tue)
Run: 0Km, Cumulative: 44,948Km
Lazy Lizard Hostel (USD: 14.485)
昨日、同室のイラン出身でロサンゼルスに住んでいるモイン(写真右)が、今日アーチーズ国立公園に車で行くと言うので、乗せてもらうことになった。モアブに着いた初日に話がまとまりラッキーだが、帰りはお互い別の方向になるので、どこかで下ろしてもらい自転車で帰ることになった。彼の愛車マツダRX-8(元々スペースが無いスポーツ車)には荷物満載。仕事を辞めてアメリカを一周していると言う。彼のチャリの上に私のルート号を乗せて出発。

10キロほど北上し、アーチーズ国立公園へ。彼は国立公園の年間パスポート(80ドル)を持っていた。ビジターセンターで公園の地図を貰って、急な上り坂を進んでいく。道はいいが路肩はかなり狭く、自転車でここを走るのはちょっと危険。

かなり大きな岩山が所々にそそり立っている。

最初のアーチ、ノースウィンドウは車を降りて直ぐ近くにある。

アーチはかなりデカい。

そこから直ぐ西にあるトゥレットアーチ

トゥレットアーチからノースウィンドウ(左)とサウスウィンドウを見る。

ノースウィンドウをバックに。穏やかな吹く風は冷たいが晴れていて気持ちいい。

アーチがどのようにして形成されたかの説明文があった。分厚い岩の下にある岩塩層が圧力により移動したり潰されたりしながら地層を突き上げ盛り上がっていく。それで亀裂が入り割れた岩山ができる。それの薄い箇所の風化浸食を繰り返して、アーチが形成される。

何キロか北上し、駐車場から1キロほど坂を上った所から見るデリケードアーチ。もっと近くに行きたかったが、かなり歩かなければならないので、40倍ズームを効かして撮る。

綺麗なアーチで、ユタ州の車のナンバープレートにもなっている。

ここから更に北上したデビルズ(Devil: 悪魔)ガーデンへ。ここは往復6.6キロのトレールコース。私は右膝の故障でこの距離を歩ける自信がない。モインは更に長く、アップダウンのある8.8キロの周遊コースを行きたいと言う。
駐車場で彼を3時間位待つか否か、かなり迷う。
ジッと待っているのも嫌なので取りあえず、行ける所まで行こう。駄目だったら引き返そうと決心。短パン姿になり、リックに水1Lとサンドイッチやピーナツを入れて、彼と一緒に行く。
柔らかい砂地や岩の上を1.5キロ歩いて、横に長いランドスケープアーチが見えた。

勾配がきつい大きな岩山を登っていく。

この辺は狭い岩の上。展望はいいが、下は崖。モインはシューズに砂が入ったので裸足で歩く。

更に1.7キロ歩いて上下に二つあるダブルオーアーチに着いた。

モインは上半身裸になり、瞑想のポーズをしばらく取っていた。
私の右膝は大丈夫だが、右脛の筋が張っていてちょっと痛い。痙攣しないように水を飲みながら昼食にし、塩分の効いたピーナツを食べ栄養補給しマッサージをする。
ここで私は来た道を引き返すが、モインは少し遠回りになるルートを進む。待ち合わせは駐車場に停めてある彼の車。
この公園で迷子になると聞いていたので、帰りは道に迷わないよう、人の後について歩く。

駐車場に近づくにつれ、人の数も増えてきて安心。脛は少し痛むが幸い酷くはならない。

15時半、ようやく彼の車に戻った。日陰になっている椅子に座り、トレッキングシューズを脱いで、ピーナツを食べながら、筋を念入りにマッサージする。弱い風が吹いていて心地よい。
彼は私より2キロ長いルートなので、30〜40分待てば帰ってくるだろう。
ところが1時間待っても現れない。
徐々に心配になる。彼は2日前、近くの渓谷に行った時に迷子になったと話していた。又、道に迷っているのでは!?
椅子にジッと座ってられなくなり、道端を行ったり来たり繰り返す。こんな時、彼が戻って来る気配を感じない。
やがて1時間半が過ぎ17時になる。私のルート号はあるが、鍵や荷物は全て彼の車にある。どうしようと思っても何も身動きできない。
冷たい風が吹くようになり、短パン姿にウインドジャケットだけでは寒い。彼を信用しなけれな良かったと悔やむ。
17時半、突然向こうからモインがやってきた!
ウワー、両手を広げて彼を迎える。何てこった。こんな時はお互い笑い顔しか出てこない。彼に聞くまでもなく、やっぱり迷子になっていた。
良いニュースがあると彼は言う。もう夕暮れが近いので、これから次の町には行かず、またホステルに泊まるから、私を車でそのまま送って行くと言うのだ。“当たり前だろう! どれだけ心配したんだ” と思ったが ”Thank you” としか出てこなかった。
かなり傾いた西日が眩しい中を宿へ向かう。

宿に着き、直ぐシャワーに入り、卵入り野菜炒めを作り、ビールを飲みながら夕食。

ようやく落ち着いた。かなり疲れた一日なってしまった。デビルズガーデンにはやっぱり悪魔が住んでいた。