日本を旅してきたヤニックはその後、長野、乗鞍ではヒルクライムに挑戦し、岐阜高山、白川郷を経て金沢まで自転車旅を続ける。その後、外国人観光客用の JRパスをフルに利用して広島、京都、岐阜、北海道を訪れる。札幌、旭川、富良野、知床などの観光地を回って、再び神奈川の我が家に戻ってきた。その間、沢山の友達宅やお寺に泊めてもらったり、野宿をしながら、パワフルに行動してきた。私だったら、一日位のんびりして疲れを癒したいところだが。
今日は富士山へ向かう。生憎曇っていて山中湖近辺からは全く見えない。車を降りシャトルバスで 5合目へ。観光と思っていたので、登山の準備はしてきてない。5合目からも雲に覆われていて頂上を見ることはできない。少し登ってみようかと軽い気持ちで登山道を歩いていく。
6合目近辺まで行くと少し、頂上が見え隠れするようになってきた。
途中の山小屋で水やおにぎりを買ってまた登る。気温は低くカラッとしていて気持ちいいし、景色が徐々に綺麗になり止められない。
岩場に差しかかる。
上を見ると頂上がくっきり直ぐ近くに見えるようになってきた。
ヤニックは息が苦しそうで少し遅れる。酸素ボンベを買って呼吸を整える。
下方には雲海が広がる。
本 8合目(標高3400m)。登り始めて4時間、午後 3時半になっていた。
これから頂上まではまだ 1時間半はかかる。半袖で寒いし、ヘッドライトも持ってきてないので、ヤニックも了解しここで下山することにした。彼は頂上まで行きたかったかも知れないが。
下山道は深い砂で覆われていて砂煙が上がる。その中を小走りで駆け降りる。私は膝の痛みが出るかと心配だったが、違和感は全くない。
1時間ちょっとで下山。5合目に着くと午前中は見えなかった山頂がくっきり見えた。
日本の象徴である富士山に登れて彼は大満足だったようだ。